国立感染症研究所が、今年の「梅毒」の感染者数が累計で1万141人(速報値)となったことを公表しました。年間1万人を超えるのは、現在の調査方法になった1999年以降、初めてだということです。
梅毒は性行為などで感染する病気ですが、SNSやマッチングアプリなどを通じて不特定多数の人と出会い、性行為をすることが感染拡大の要因の一つとなっているとの指摘もあるといいます。
梅毒に感染後、初期から後期にかけて症状はどのように進行するのでしょうか。産婦人科医の尾西芳子さんによると、梅毒は、性交渉によって『梅毒トレポネーマ』という病原菌に感染し、およそ3週間の潜伏期間を経て発症する病気です。
潜伏期間は個人差が大きく、1週間程度で発症する人もいれば、90日程度で発症する人もいます。また、梅毒は症状が出たり消えたりするのも特徴で、初期の症状には気付かずにいったん治まり、そのまま放置していたら約3カ月後、症状が現れる頃には中期まで進んでいたということも少なくありません。
梅毒感染後、受診や治療をしないまま症状を放置すると、梅毒トレポネーマが感染部位にとどまっていますが、感染に気付かずに放置すると血流に乗って全身へ移行し、神経や目といった部分にまで影響が出てしまいます。
感染に気付かないまま妊娠したり、妊娠中に感染したりした場合には、赤ちゃんに梅毒トレポネーマが侵入し、先天的に病気を患ってしまう『先天梅毒』のケースもあります。
乳幼児期には問題がなくても、学童期になってから難聴や角膜炎などを起こすこともあり、長きにわたって子どもに影響を与えることになるため、できれば妊娠前に感染の有無を調べておくことをお勧めします。
性病検査キットを利用することで、自宅で簡単に検査ができ、早期発見・早期治療につながります。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2ac66e130320bc041fa68348a6428ebbffa29b97