日本国内でサル痘と梅毒の両方が流行しているという報道があります。サル痘は、発熱、頭痛、リンパ節の腫れなど先行する症状が数日続き、皮疹が出現する疾患で、日本国内では新規感染者数が増加傾向にあります。
ここ最近の流行では、従来の知識とは異なる症状も見られており、半数の患者に先行症状がなく、皮疹・水ぶくれの進行もそれぞれの部位で異なるという報告もあります。
特に生殖器や肛門に皮疹が多く、これまでの報告とは異なる特徴が現れています。一方、梅毒は感染後1ヶ月程度で潰瘍が出現する疾患で、陰部に出現することが多いですが、口の中でも現れることがあります。
梅毒の流行は2010年代以降特に目立ち、2022年は年間1万例を超える大幅な増加がありました。梅毒は、無症状のことがあるため、複数のパートナーがいる人は定期的な検査が推奨されます。
サル痘と梅毒の症状には共通点もありますが、異なる点もあります。例えば、サル痘では、水疱が特徴で、皮疹は”赤い発疹→水疱→膿疱→かさぶた”と変化していくのが典型的とされていますが、梅毒では皮疹は紅斑と呼ばれる赤い発疹のまま進むことが多いです。
また、現時点ではサル痘の感染者の大半が男性患者であり、一方で梅毒は男女ともに感染者が報告されています。
どちらの疾患でも、医師の診断が必要です。万が一、疑わしい皮疹が出現した場合は、すみやかに病院を受診することが重要です。また、梅毒は無症状のこともありますので、複数のパートナーがいる方は定期的な検査を受けることをお勧めします。
ソース記事:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20230326-00342814