東京大学先端科学技術研究センターが行った、東京都内の一般医療機関で実施された新型コロナウイルスの抗体検査の結果、10~90代の500検体のうち3例が陽性であったことが明らかになった。
この検査は、鼻風邪コロナ4種には反応しない高い再現性と安定性を持つもので、東北6県で採血された献血の中から抽出された各500検体のうちの東京での陽性反応も前回発表されたばかり。
政府は6月をメドに1万件規模の抗体検査を実施する計画を立てたが、日本で最も感染者が多い東京都で感染がどれぐらい広がっているかはっきりしませんでした。
この結果から、東京都の人口の0.6%に相当する約8万人が感染していることが示唆されていますが、東京都の感染者数は5070人で約16倍の数字となっています。
そんななか何故日本において感染者があまり増加しないのか、米エール大学の岩崎明子教授は、自国文化が社会的距離を置くもの、マスク着用などの予防意識、集団免疫の付与されていた可能性、日本人において気道におけるレセプターの発現が少ないといった5つの仮説を挙げている。
しかしその中でも、児玉龍彦名誉教授が新型コロナウイルスに精密に計測すると、日本人においてIgMの反応が弱いといった日本に特有な傾向がある事を発表しました。
これまでの感染症であるB型肝炎を例に挙げ、ウイルスに対する免疫ができる過程を説明しながら、新型コロナウイルスが日本人においてIgGが先に反応してIgMの反応が弱く出てくることが分かったと述べました。
今後、数多くの検査結果が示される中で、学問的な研究が進められると思われますが、今回の結果を踏まえ、いかに感染者を抑制するかが今後の社会において大きな課題となりつつあることが明らかになりました。
ソース記事:https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200520-00179344/