記事によると、新型コロナウイルスに対する回復者血漿療法が日本国内で臨床研究が開始されたことが報じられました。回復者血漿療法とは、新型コロナ感染から回復した人から得た血漿を新たに罹患した患者に投与して治療に役立てる方法であり、ウイルスなどの病原体を不活化する様々な抗体が含まれる点が特徴です。
この方法はスペイン風邪などの古典的な感染症に対する治療法としても用いられており、SARSやMERSなどでも行われてきました。しかしながら、回復者血漿療法の有効性についてはまだ十分なエビデンスがなく、中国で行われた最もエビデンスレベルの高いランダム化比較試験でも、中等症患者グループに対して有効性が示されたものの、患者全体および重症グループでは有効性が示されませんでした。
それでも、アメリカでは入院から3日以内に投与された症例、抗体を多く含む血漿を投与された症例では、致死率が低かったと報告されており、治療の早期に行われることが重要とされています。
回復者血漿療法自体は安全であることが確認されており、日本国内でも約60例に回復者血漿の投与が行われる予定です。また、回復者血漿の採取にあたっては、新型コロナ感染後に十分な回復期間があること、十分な抗体を有していること、感染症による感染リスクのないことなどの条件を満たした回復者から採取されます。
国立国際医療研究センターでは既に200人以上の回復者から抗体測定を行い、60人の方の回復者血漿を採取して保存しており、貴重な治療法の一つとして期待されています。
ソース記事:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200927-00200310/