今年のノーベル医学生理学賞は、ハーベイ・オルター氏、マイケル・ホートン氏、チャールズ・ライス氏の3人が「C型肝炎ウイルスの発見」により受賞した。
C型肝炎ウイルスは、肝がんの大部分を原因とするウイルス感染症であり、70〜90%がB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染による。C型肝炎は昔は存在しなかった「非A非B型肝炎」と呼ばれ、肝硬変、肝がんへと進行することが多かった。
しかし、1989年にC型肝炎ウイルスが発見され、現在では治療薬の開発も進み、95%以上が治癒を目指せるようになった。全世界で7000万人以上がC型肝炎に罹患しており、毎年40万人近くがC型肝炎関連の肝疾患で死亡している。
WHOは、2030年までに新たなウイルス性肝炎感染者を90%減らし、ウイルス性肝炎による死亡者を65%減らすことを目標に掲げている。今回の受賞は、近年のC型肝炎の目覚ましい治療の進歩にも背景があり、C型肝炎ウイルスの発見は、偉業と言える。
ソース記事：https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamototakehito/20201005-00201639/
