大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之教授は、新型コロナウイルスとヘルペスウイルスの類似性を指摘しています。新型コロナに感染した後も長期間にわたって抗原やRNAが検出される事例が報告されており、これにより回復後も体調不良が続く新型コロナの後遺症には「持続感染」が影響している可能性があると考えられています。
宮坂教授によると、シンガポールでは新型コロナの後遺症を訴える患者の体内からも、発症から426日後でも抗原やRNAが検出されたという報告がありました。
また、米国では後遺症がある患者の約6割の血中に抗原が検出された一方、後遺症がない患者には検出されなかったとされています。これらの報告から、新型コロナウイルスもヘルペスウイルスと同様に体内に残存する可能性があると考えられています。
通常、ウイルスは免疫の働きにより体外に排除されますが、ヘルペスウイルスは免疫細胞に感染し、血液を介して末梢神経の根元に潜伏します。この状態では検査でウイルスは検出されませんが、免疫力の低下によりウイルスが活性化することがあります。
宮坂教授は、新型コロナウイルスも何らかの仕組みで体内に残存する可能性があり、免疫が弱い人はウイルスを排除できずに症状が持続する可能性があると述べています。
さらに、新型コロナウイルスの感染により免疫に異常が生じ、関節リウマチなどの自己免疫疾患の発症リスクが高まる可能性があるとされています。これにより、後遺症のない人でもウイルスが体内に残存している可能性があるため、感染しないことが最も重要だと宮坂教授は語っています。
この報告は、新型コロナウイルスの持続感染や後遺症に関する新たな知見を提供しています。今後、この問題を解決するための研究が進められることが期待されます。
感染予防策として、マスクの着用や手洗い・消毒の徹底が重要であり、早い段階でのワクチン接種も効果的な対策となるでしょう。ただし、感染を完全に防ぐことは困難であり、感染した場合には適切な医療措置を受けることが重要です。
また、免疫力を高めるためにはバランスの取れた食事や適度な運動、ストレスの管理などが必要です。
ソース記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/cc43738e141c13ca0a3a7160f970625d47463786