名古屋大学と国立がん研究センターの研究チームが尿検査の新たな技術を発表し、尿からがんを診断することが可能になった。この技術は、尿中の細胞に含まれるマイクロRNAに注目したものである。
マイクロRNAはがんの転移や増悪に関わっており、がんに特異的に表れることが明らかになっている。この技術は臨床応用が期待されており、今後が楽しみである。
尿には、糖尿病や腎臓機能の異常以外にも、様々な情報が含まれている。一番身近な尿検査でもある糖尿病の検査以外にも、尿から性病や痛風、がんなどを検査することができる。
尿検査は一般的に、最初と最後の尿を除いた中間尿を採取するよう指導される。これは、最初に排尿をした時点で尿道口の周りにある常在菌や白血球が混入しているため、中間尿のみを採取するように指導されているからである。
ただし、クラミジア感染症などの尿道炎を疑う場合は初尿を採取するように指導されている。
現在の尿からのがん検査は、細胞の形を調べることが主流である。異常な形をした細胞がないかを顕微鏡で見て確認していく。しかし、これでは全く形が変わらない前癌病変の細胞を見つけることができないこともある。
今回の技術により、遺伝子の情報も加わることで、より正確な尿によるがん検査が可能になると期待される。
尿検査は身近な検査の一つであり、生活習慣の改善やこまめな検査により、がんの早期発見につながることが考えられる。今回の新技術によって、尿からがんを診断することが現実になったことは、医療の進歩につながる重要な一歩であると思われる。
ソース記事:https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagitaemmy/20171221-00079525